音楽療法のページ

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「音楽療法って名前は聞いたことあるけど実際はどんなものなの?」という疑問をもっている方もおられると思います。

ここでは岐阜県音楽療法士の濱島秀行が、音楽療法を誰にでもわかりやすく解説します。


◆音楽療法とは何か?

音楽療法という言葉が生まれたのは戦後ですがその歴史は古く、音楽が治療に用いられるようになったのは、古代エジプト時代とも言われています。

古代エジプトでは、病に患うのは神の怒りにふれた結果と考えられていました。

病気を治療する手段として、呪術師たちが病人の前で祈りを捧げ音楽を奏でて神の怒りを静めたとのことです。

これが音楽療法の起源だと言われています。

(日本バイオミュージック研究会「音楽療法の理解」より)

 

また、日本で言うと古事記に「天照大神が天の岩戸に閉じこもった際に、岩戸の前で他の神々が音楽や踊りを捧げて大神の怒りを静めた」という記述があります。

これも1つの音楽療法の起源ではないでしょうか。

 

さらにゲーテやピタゴラスといった偉人たちも、音楽に心のよりどころを求めていたと言われています。

音楽は病んでいる心を癒し、元気を与えてくれる力があります。その力は大昔から認められていたのです。

 

音楽療法とは、リラクゼーション、ストレス発散、コミュニケーション手段、回想といった目的に合わせた音楽の利用法だと思います。

音楽の力を上手に使い、対象者の心身に働きかけ、健康の維持や向上などを目指すのが、音楽療法士の主な仕事です。

◆音楽療法の対象者とは?

音楽療法の対象者は一言で言えば、音楽療法を必要としている人です。

具体的には、知的・身体的に障害をもつ方、認知症のお年寄り、心に病気を抱えている方、特に障害や健康を害していない方も含め、年齢も問わず幅広い方々が対象になります。

病院・ホスピスなどの医療の現場、老人ホーム、デイサービス、デイケア、グループホーム、授産所、特別支援学校といった福祉施設や学校などで、音楽療法は取り入れられています。最近では、介護予防教室といった行政の取り組みにも音楽療法を取り入れているところが増えています。

◆音楽療法士はどうやってなるの?

音楽療法に興味を持たれている方は年々増加傾向にあります。

私も、コンサートのお客さんやメールで音楽療法についてよく質問されます。

音楽療法士に興味のあるけどどうやってなったらいいの?という方に向けて解説します。

 

 

現在、様々な団体、大学、専門学校、自治体等が音楽療法士の養成を行っています。


<主な資格認定機関>

日本音楽療法学会

■全国の大学・専門学校

  全国の様々な大学・専門学校で養成課程を設けています。

  卒業を要件とした認定も行っています。

■地方自治体

  岐阜県、兵庫県、奈良市、桑名市等が独自の認定制度を設けて養成しています。

 (※すでに養成を行っていない自治体もあります。)

 

ちなみに私は岐阜県音楽療法研究所が養成する音楽療法士の認定を受けました。

残念ながら岐阜県音楽療法士の認定は平成23年度で終了してしまうそうです。

 

他にも留学して海外の音楽療法を学ぶという方法もあります。

 

AMTA(アメリカ音楽療法協会)

CAMT(カナダ音楽療法協会)

■BSMT(イギリス音楽療法協会)

 

音楽療法士の資格は、現在国家資格ではありません。

従って、上記の各機関で受けられる認定は色々とありますが、違いは無いのでどれを

取ってもかまわないと思います。

やはり、音楽療法の機関で最も大きな日本音楽療法学会の認定を受ける方が多いみ

たいです。

 

<参考文献・サイト>

・新しい音楽療法 音楽之友社

・音楽療法の実践 春秋社

・元気のでる音楽療法 ドレミ楽譜出版社

・岐阜県音楽療法研究所公式ホームページ